蜃気楼大学2026

蜃気楼大学2026 ~境界領域で創発する!~ 人と関係性が未来をつくる

蜃気楼が見えるか
橘川幸夫

本年も蜃気楼大学が始まります。
毎年1回、4年目です。
蜃気楼大学を発案した私の想いを語らせてください。
私たちは近代社会の中で生まれ、育ちました。
近代のはじまりは「自我」の自覚です。
類としての人間から、個としての人間の自覚を獲得しました。
そして、自然のエネルギーを人間のために利用する技術を発見し、印刷術の発明による情報の共有化によって、個の自覚は全体に広がることを可能にしました。

個の欲望と夢はさまざまな領域で上昇思考を生み、技術革新による人工的な生活環境を築きました。才能のある個人は激烈な競争社会に勝ち残り、経済的な勝者やメディアの寵児として輝きました。しかし、競争社会である限り少数の勝ち組と、無数の勝ち組を支えるための社員やファンの構造を作りました。

そして、近代社会は完成に近づいています。完成とは役割の終焉です。
私たちは近代社会の成果を充分に受け止めた上で、次の社会を目指す必要があると思います。次の社会は、前の世代の社会の問題点を指摘し、矛盾を克服していくところから始まります。

近代社会は少数の勝ち組の栄光のために無数の負け組を生み出しました。負け組というのは、経済的なことだけに限りません。少数の情報発信者(政治家、資本家、有名人、スターなど)に対する多数の受け身だけの人たちです。

日本の高度成長は1970年代にピークを迎えました。日本における明治維新・戦後の高度成長という近代的な方法論がたどりついた地点です。「豊かな社会」を迎えることで、エコノミック・アニマルと呼ばれたハングリーの日本人は、80年代のバブルに突入し、その後の「失われた時代」を迎えます。

しかし、私は、何が「失われたのか」と言えば「近代の上昇思考の方法論」が失われたのだと思います。アメリカや中国をはじめ急成長している国々は、まだ近代の方法論の終焉を迎えていないだけです。

近代は工業化文明の時代です。そして、そのあとは情報化文化の時代がはじまると思っています。

近代は、個人が努力して社会で成功を収めることを目標にしてきました。個人の学ぶ努力や働く努力が重要です。しかし、そのことによって、私たちは「個人」と「社会(全体)」の2つの世界しか見てきませんでした。

しかし、近代の先にもうひとつの世界が見えてきました。
個人(ミクロ)と社会(マクロ)の間に無数の「メゾ」と呼ばれる領域があったのです。

メゾとは、コミュニティです。私たち住む地域、学校、職場、共通テーマの仲間たち、こうした世界は、個人でも全体でもない関係性の共和国です。

生成AIは社会的機能を個人に与えてくれるシステムです。生成AIと関係を持つことにより、私たち個人は、抽象的な社会を目指すことなく、メゾの共同体の中で個人を自覚し全体を感じることが出来るはずです。

私は、「イコール」というコミュニテイ生成マガジンを作ることで、ミニコミでもマスコミでもない、メゾメディアを生成していきたい思っています。

蜃気楼大学も、そうした時代の流れを自覚した上で発案し、皆さんに呼びかけて運営していきます。蜃気楼大学は、さまざまなメゾ的コミュニティが年に一度集まる、リアルイコールです。新しい時代の「蜃気楼」を感じたい方は、ぜひ、ご参加ください。八王子のリアルな空間でお会いしましょう。


人類の叡智を集める「生成 AI 革命」と感動する心をもった生身の「人間革命」を両輪とする「水の連帯」を!――「蜃気楼」の「蜃」は生成 AI だった
久恒啓一(蜃気楼大学一日学⻑)

「蜃気楼」は、暖かい空気と冷たい空気の境目に現れる、光の屈折によってみえるまぼろしです。司馬遷の『史記』に、「蜃」の吐く「気」によって、「楼」があらわれ、その気の広がりによって「宮」ができる、とあります。未来というものは、この蜃気楼と同じように、初めはあやしげで、はかなく、まぼろしのような姿で登場するものでしょう。蜃気楼大学は、現在と未来の間に一日だけ立ち上がる、理想の大学を目指す楼閣です。「蜃」とは伝説上の想像獣である「辰」のことであり、龍(⻯)のことです。橘川イコール、田原イコール、久恒イコールに続くいくつかのイコール。そして、企業 ZINE、学校 ZINE、地域 ZINE、テーマ ZINE など今や 30 誌に迫る「イコール」ZINE 群の誕生とそのネットワークの姿が出現しています。八王子の大学セミナーハウスの個性豊かな「楼」の集まりが「宮」になっているように、同様の様相を呈してきました。そして、この「蜃」「辰」「⻯」の正体とは、今急速に姿を現してきた「生成 AI」であったのです!未来を展望した林雄二郎の「コミュニティ」、見田宗介の「ネットワーク」、平野啓一郎の「分人主義」。これらはバラバラな思想ではなく、「イコール」ムーブメントという器の中で一つに溶け合っています。私たちは、単一の国家や巨大な物語にアイデンティティを委ねるのではなく、複数の軸をもつ分人として、いくつかの小さな共同体(ファンクショナル・コミュニティ)に参画し、そこで手触りのあるメディアを発信するようになってきました。小さな「胚芽」がいたるところで発芽し、緩やかに連帯しながら社会を底辺から変革していく。そういう運動体といえましょう。この「イコール」ムーブメントは、社会と個人の間に、自分たちの手で「新しい公共」(メゾ社会)を創り出していく試みであるともいえます。人類の歴史の集合知である「生成 AI の革命」と、感動する心きらめく生身の「人間の革命」、つまり利便を享受するグローバルな「文明」と日本のアイデンティティを涵養する「文化」の両方を意識しながら、21 世紀を乗り切っていきたいものです。この「蜃気楼大学」から生まれたネットワークは、空間と時間をこえて人びとをつなぐ母体となっていくでしょう。水の一滴からはじまる小さな流れたちがつながりながら大河に注ぐ、柔らかな「水の連帯」を大事にしながら、未来の世界にこぎ出していきましょう!


蜃気楼大学2026では、時代の先見性を体現する人や、地域・テーマから未来を探る人による講義と、一人ひとりの活動を発表するブースを展開します。

開催概要

開催日
2026年10月31日(土)

会場
大学セミナーハウス(東京都八王子市)

講義時間
1コマ90分(申込状況により調整する場合があります)

90分の使い方は登壇者が自由にデザインできます。例:60分のレクチャー+30分の交流など。


講義・ブースを募集しています

講義登壇者とブース出展者を公募しています。

応募締切:8月19日
審査結果発表:8月26日


プログラム

講師・講義・ブースの情報は、決定次第このページから順次お知らせします。